睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に呼吸が弱まったり、止まったりすることにより、十分な睡眠がとれなくなる疾患です。この病気は、寝ている間に無呼吸状態が生じているため、ご本人が自覚しないうちに病状が進行していきます。昼間の仕事中に疲れやすさや眠気を感じるようになるときは、睡眠時無呼吸症候群が慢性化している可能性がありますので、お早めに医療機関を受診するようお勧めいたします。
当院では、これまで病院で一泊入院がひつようだった睡眠精密検査(ポリソムノグラフィー:PSG)をご自宅で簡単に受けられるように準備しております。入院する必要がなく、時間と費用が大幅に軽減されます。簡易検査からCPAP導入まで、一貫して当院で行うことができます。
睡眠時無呼吸症候群を
放置すると
睡眠時無呼吸症候群になると、十分な睡眠をとっているつもりでも目覚めの悪さ、身体のだるさ、昼間の居眠りなどが起こりやすくなります。ご自身の問題だけでなく、車を運転中に死亡事故を起こしてしまい、テレビや新聞で大々的に報道され、社会的な事件となることもあります。また、睡眠時無呼吸症候群を放置すると体のエネルギー代謝に支障を来たすようになり、糖尿病や高血圧、心不全、心筋梗塞などを引き起こすリスクが高まります。
このような方は医療受診を
- いびきがうるさい(家族などから指摘された)
- 日中に眠気がある
- 起床時に体が重い(疲れが抜けていない)
- 倦怠感を覚える
- 熟睡感がない
- ED(勃起障害)が見られる
- 夜中に何度もトイレに行く
- 集中力や記憶力が低下した
など
睡眠時無呼吸症候群の検査
睡眠の検査機器を使用しAHI(Apnea Hypopnea Index:無呼吸低呼吸指数)を測定し、睡眠時無呼吸の程度を評価します。
AHI(無呼吸低呼吸指数)
睡眠1時間あたりの「無呼吸(Apnea)」と「低呼吸(Hypopnea)」の合計回数をAHI(Apnea Hypopnea index)=無呼吸低呼吸指数と呼び、この指数によって重症度を分類します。
- 無呼吸
- 呼吸が10秒以上停止すること
- 低呼吸
- 口や鼻からの換気量が50%以上低下した状態が、10秒間以上続くこと
軽症 | 5≦AHI<15 |
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中等症 | 15≦AHI<30 |
重症 | 30≦AHI |
検査の流れ
簡易検査:
当院の機械をお渡しし自宅で測定します。呼吸の状態や体への酸素の取り込みを調べます。
精密検査(ポリソムノグラフィー(PSG)):
簡易検査に加え睡眠パターンを詳しく分析します。これまで医療機関での1泊入院が必要でしたが、当院では自宅で行える精密検査を実施しています。入院で行う場合に比べ時間と費用が大幅に軽減されます。
睡眠時無呼吸症候群の治療法
睡眠時無呼吸症候群の治療にあたっては、患者さまの状態に応じて個別具体的に判断しますが、最も一般的に行われるのはCPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)であり、通称シーパップと呼ばれています。鼻に装着したマスクから圧力を加えた空気を送り込むことによって、ある一定の圧力を気道にかけ、気道の閉塞を取り除いて無呼吸を防いでいきます。中等症から重症の患者さまにとても効果的で、ほとんどの患者さまで、この治療を行ったその日からいびきをかかなくなり、朝もすっきりと目覚め、昼間の眠気も軽くなります。
比較的に軽症の場合は、マウスピースで対応することもあります。就寝中の顎の位置を少し変え、下顎を上顎よりも前に出るように固定することにより、呼吸状態の改善が見込めます。
この他、生活習慣の改善も併行して取り入れていきます。肥満の方は、減量のために食事を腹八分目に抑え、適度な運動も心掛けます。また、お酒は筋肉を弛緩させ、気道の閉塞をさらに悪化させる可能性がありますので、適量を心がけます。こうした療法によっても改善が難しいときは、気道の塞がってしまう部位を正常な状態に戻すため、外科手術を検討します。